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脂質に支援されたRNA様高分子の単分子ヌクレオチドからの合成 Lipid-assisted Synthesis of RNA-like Polymers from Mononucleotides

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RNAの高分子が単分子ヌクレオチドから非触媒反応で脂質環境の中で合成されることが示された(Rajamani et al. 2008)。単分子ヌクレオチドの化学活性化は必要ない。その代りに、無水条件と水和条件の変動による化学ポテンシャルと無水化時の加熱により、燐酸ジエステル反応が駆動される。最後の水和化段階において、RNA高分子は脂質ベシクルに包まれる。

Rajamani et al. 2008, Lipid-assisted Synthesis of RNA-like Polymers from Mononucleotides, Orig. Life Biosph. 38, 57-74.

アフリカ人類の古い系統のミトコンドリアDNA全ゲノム解析:Whole-mtDNA Genome Sequence Analysis of Ancient African Lineages

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ミトコンドリアDNAゲノム解析により、アフリカにおける人類の系統樹が明らかになった。アフリカに起源をもつミトコンドリアDNAの二つの系統(ハプログループMとN)はすべての非アフリカハプログループの前身である。一方、ハプログループL0-L6を含むマクロハプログーループLは、サハラ砂漠以南のアフリカ地域にしか見られない。いくつかのハプログループLの系統(例えばL0a、L0f、L5、L3g)は、東アフリカに最も高頻度に現れるが、そのいくつかは特定の民族にしか見られない。例えば、ハプロタイプL0dとLkは南アフリカのクリック語話者にしか見られない。これまでのミトコンドリアDNAの多重ゲノム解析においては、東アフリカの民族のデータが不十分で、ミトコンドリアDNAハプログループ相互の関係と人類の歴史の初期に起こった事件を明らかにすることが困難だった。Gonder et al. 2007は、タンザニアと南アフリカのコイサン語話者、バコラ・ピグミー族からの62個体のミトコンドリアの全ゲノム配列を決め、全球的な226個体のミトコンドリアゲノムと比較した。その結果、ミトコンドリアDNAのハプログループの系統的な関係が明らかになり、ハプログループ系統の最近共通祖先までの時間(time to most recent common ancester:TMRCA)を193±32.55 kyaと求めた。これらのデータは、タンザニアの人類のゲノムは最も高い多様性を示している。また、その中には人類の最も古いミトコンドリアDNAのハプロタイプがある。そこでみられるハプログループは、アフリカの他の領域では、ほとんど見られない(L0dとL5)か全くない(L0f)。つまり現生人類の発生直後に起源する多様な系統が東アフリカに持続的に居住していることになる。これは、東アフリカがすべての現生人類の発生の地であることを示唆している。

Gonder, M.K. et al. 2006, Whole-mtDNA Genome Sequence Analysis of Ancient African Lineages, Mol. Biol. Evol. 24, 757-768.