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ウナギ幼生の比重:Specific gravity of eel larvae

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図1:ウナギのレプトケファルスの体表全体に分布する塩類細胞

ウナギの幼生(レプトケファルス)の比重は1.019-1.025であり、比重が1.023-1.024(22度―26度)の海水に対して浮力を持っている。これは海生生物で最も低い値である(Tsukamoto et al. 2009)。

ウナギのレプトケファルスの体表全体に、塩類細胞が分布して、体内からNa+とCl-などの塩類を排出し、体内の浸透圧を低く保っている(図1; Sasai et al. 1998)。ウナギの20-40mmサイズのレプトケファルスは体内液体の浸透圧を450 mOsm/kgH2Oに維持している。海の水の浸透圧は1050 mOsmであるので、その分比重を軽くできる。一方、生きているクラゲの浸透圧は1054mOsmだった。硬骨魚類の成体は血漿の浸透圧を300 mOsmに保っている。レプトケファルスの浸透圧はクラゲと硬骨魚類の中間の値を取っている。

また、レプトケファルスの浮力調節は、その体の大部分を占め90-95%もの含水率を持つグリコサミノグリカン(GAG)の細胞外基質ゲル化によっても実現されている。

1) Tsukamoto, K. et al. 2009, Positive buoyancey in eel leptocephali: an adaptation for life in the ocean surface layer, Mar. Biol, 156, 835-846.

2) Sasai, S. et al. 1998, Morphological alterration in two types of gill chloride cells in Japanese eels (Aguilla japonica) during catadromous migration, Can J. Zoo, 76, 1480-1487.