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白亜紀末の寒冷化と暗黒星雲遭遇による大絶滅:End-cretaceous cooling and mass extinction driven by a dark cloud encounter

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Nimura et al. (2016)は、深海底コアのサイト886Cの遠洋堆積物の中に、イリジウム濃度が異常に高い層が5m連続的に分布していることを発見した。そのイリジウム以上層の最上層近くに、チュチュルブ小惑星衝突に関係するK-Pg(中世代―新生代)境界のイリジウム濃度スパイクがある。この幅の広いイリジウム濃度の異常は、地球表面起源のいかなる成分の混合でも説明できない。一方で、太陽系が100pcに及びその中心濃度が2000個陽子/cm^3に達する巨大分子雲に遭遇したと考えるとうまく説明できる。Kataoka et al. (2013;2014)は太陽系の暗黒星雲との遭遇が、大量絶滅を引き起こす地球に環境の破局をもたらすことを示している。

暗黒星雲に含まれる固体微粒子は少なくとも数か月の間、成層圏にとどまる。その太陽遮蔽効果は-9.3 Wm^-2ほどもある。これは、地球を一時的に全球凍結に至らせるに十分な強さである。このような暗黒星雲との遭遇が、酸素同位体やストロンチウム同位体の測定結果で示唆されている白亜紀の最後の8百万年間に及ぶ全球的な寒冷化の原因だったと考えられる。その結果、大陸氷床の成長により海面水準が下がった。この全球的な寒冷化は、化石生物の種の多様性の減少に伴って起こっており、最終的には、K-Pg境界の大量絶滅を引き起こしたと考えられる。

1) Nimura, T., Ebisuzaki, T., and Maruyama S., 2016, End-cretaceous cooling and mass extinction driven by a dark cloud encounter, Gondwana Reserach, accepted.

2) Kataoka, R. Ebisuzaki, T. et al. 2013, Snowball earth driven by starbursts of the milky way galaxy, New Astronomy, 21, 50-62.

3) Kataoka, R., Ebisuzaki, T. et al. 2014, The Nebula Winter: the united theory of the snowball earth, mass extinctions, and explosive evolution in the late Neprotrozoic and Cambrian periods, Gondwana Reserach, 25, 1153-1163.